危険なマグカップ

2019.10.23 Wednesday

お気に入りのマグカップ。これはかなり危険な代物だ。
なぜならお気に入りのマグカップというものは、好きな音楽や映画と一緒で、その人の趣味嗜好。ひいては人柄や人格、教養の程度までもが表に出てしまうからだ。しかもマグカップは、はやりすたりの激しいファッションなんかよりもずっと無意識に、その人の深層心理の部分が出てしまっている気がする。

中高時代、ぼくは友人と好きな音楽や映画の話をよくしていた。自分の趣味嗜好がいかに優れているかを友人にひけらかしたり、あるいは踏み絵のように気の合う人間とそうでない人間を振り分ける。今思えば、そんな目的でやっていた気もする。
だけど大人になると、そういうことがあまり自分にとって得にならないと気づく。

趣味嗜好は人それぞれだし、自分のお気に入りを人に伝えることは、場合によって相手を傷つけてしまうからだ。「趣味嗜好に優劣はない」このことは最近かなり市民権を得てきた。自身の趣味を相手に押し付けるような発言や行為が、かっこ悪いという風潮すらある。いやそれ以上に、なにより自分の教養レベルや趣味のレベルなどを相手に測られてしまうような気がして恥ずかしい。
好きな本や映画をさらすなんてもっての他だ。
たまに「どんな映画が好きですか?」と聞いてくる人がいるが、「この人は自分のレベルを測ろうとしているのか?」と勘ぐってしまう。

自身の趣味嗜好、教養。そういったものはできるだけ表に出さず、相手にも訊ねない。趣味の話はそれが100%同一だと分かっている相手とだけ話す。これは現代を生きる大人が持つべきマナーやルールと言えるかもしれない。

で、マグカップだ。
ぼくが思うにマグカップに関しては、みんな驚くほどガードが甘い。
職場のデスクの上にあるマグカップを並べれば、きっと個性豊かな面々となるだろう。そして大体どのマグカップが誰のものか分るんじゃないだろうか?
あるいは、「あの開発部の地味な彼がこんな派手なカップを!?」とか「あの、きゃぴきゃぴしている総務の女の子がこんな品のいい有田焼のマグカップを!?」とか、そんなギャップ萌えもあるかもしれない。
ともかく、このご時世にマグカップに関してだけはみんな驚くほどガードが甘く、思い切り自分を出してしまっているのだ。

だから、マグカップは危険で面白い。

なにかとコンプライアンスやら多方面への配慮が優先され、何も言えない風潮の中で、みんなマグカップくらいは使いたいもの使わせろよ!と思っているんじゃないだろうか。
マグカップは控えめな個性の爆発。マグカップは個性最後の砦。マグカップはこの厳しい暗黙の言論統制のしかれた現代におけるロックなのだ。

そうだ!!ぼくたちには好きなマグカップを使う権利がある!!

で、これが最近ぼくが買ったお気に入りのマグカップ。

このマグカップを見て、ぼくがどんな人間かなんとなく想像がつくんじゃないだろうか。
だけど、このマグカップがおすすめなのか?と言われると、それはちょっと違う。 どこがいいのか?と問われても上手く答えられない。
カフェイン中毒のぼくにとってコーヒーを飲むのは結構大事な時間で、このマグカップがぼくのその時間をより素敵なものにしてくれる気がした。というのが選んだ理由だ。

とても軽いとか、取っ手が持ちやすいとか、飲み口がいいとか、人間工学がどうとか、ぼくが思うにマグカップの役割において、そういう機能面の部分というのは「ついで」でしかない。
いい悪いじゃなくて好き嫌いの問題なのだ。このマグカップはぼくにとっての最適解だ。

ハリー・ポッターの魔法の杖みたいに、その人とマグカップがひかれあう。マグカップに限らず、道具と人との間にはそういう親密な運命みたいなものが存在すると信じたい。それは同じ人であっても、年齢を重ねると変わったりもするものなんだと思う。

趣味嗜好がばれるのを恐れずマグカップくらいは自分の一番気に入ったものを使ってほしい。
お気に入りのマグカップは、あなたがそれを使う時間をちょっとだけ豊かにしてくれるから。(も)

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