ひな祭り

今日は楽しいひな祭り

2020.03.03 Tuesday

今日はひな祭り、ということで5歳の娘を連れて義父母の家で食事をした。
義父は今日の為だけに、7段のひな壇を設営してくれていた。
義母が作ってくれた、「ちらし寿司」を、灰色の釉薬としのぎがスタイリッシュな波佐見焼のお皿に盛ってもらうと、驚くほどすっきりとした印象になった。

ところで、自分の幼少期の頃のひな祭りを思い出そうとしても、なかなか思い出せない。
妹が2人いたので、何もしていなかったはずはないのだけど、クリスマスや誕生日に比べるとやはり印象が弱い。かろうじて思い出せるとすれば、幼稚園の頃に歌っていたひどく下品な「ひな祭り」の替え歌だ。
ここにはとても書けないようなひどい歌詞だし、一体あの頃何が面白かったのか?まったく理解出来ない。

だけど、先月頃からだろうか?
5歳になる娘が幼稚園で覚えてきて歌っていたのは、ぼくが昔歌っていたのと、まったく同じ歌詞のあの替え歌だった。
当然呆れたのだけど、それと同時に感動すら覚えてしまった。 なにしろ、ぼくが幼少期を過ごしたのは東京だったというのに、ここは、それから35年後の佐賀県有田町なのだから。

時を超え、場所を超え、この下品な替え歌はいったいどのようにして全国共通の歌詞になったのだろうか?少なくともぼくが子供のころはインターネットもYouTubeもなかった。子供から子供へ、口伝えで連綿と歌い継がれてきたというのだろうか?聖火リレーの聖火のように?もしも、育ちのいい子供がいて「下品でくだらない。」と言って、歌い継ぐことをやめてしまえば、その炎はすぐに絶えてしまったはずだ。途方もない。

義母が作ってくれた、お吸い物を飲みながらそんなどうでもいいことを考える。

ハマグリのお吸い物ではなくホンビノス貝のお吸い物だという。ぼくの記憶によれば、つい数年前に現れたこの貝は、たちまち日本の食卓のスタンダードになったわけだ。佐賀のひな祭りの食卓に登場したということは、もう日本を制したと言っていいはずだ。

ひな祭りにハマグリのお吸い物を食べるのは、何やら縁起のいい理由があるらしい。平安時代に「貝合わせ」という遊びがあったとかどうとか。
ひな祭りという儀式的なお祝いごとも連綿と受け継がれてきた日本の文化だ。こちらは「上品で有意義」な方だけど、ひょっとするとあの替え歌を千年後の子どもたちも歌っているかも、と思うとぞっとした。
女の子の幸せを願う儀式。女の子の幸せの形もこの千年でずいぶん変わっただろうから、ハマグリがホンビノス貝に変わっても大きな問題はないはずだ。

正直言うとうちの娘の元気さには、ぼくたち親も義父母たちも少しうんざりしているのだけど、今日ばかりは、それがとても素晴らしいことなのだと感謝しようと思う。(も)

▼この記事で紹介したアイテム

¥1,100

グレー釉 しのぎ 中皿 波佐見焼

グレー釉薬としのぎの組み合わせがスタイリッシュな平皿。

¥1,760

古染 しのぎ 小仙茶 波佐見焼

しのぎの技法が施された湯呑。波佐見ではこの形の湯呑のことを仙茶という。

¥2,750

朱線 結び 小鉢 有田焼

和のモチーフ。だけど朱線と白磁のコントラストがどこか都会的。

¥1,320

色釉 木甲小鉢 有田焼

この形を木甲(もっこう)という。発色のいい釉薬が魅力の木甲小鉢。

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